【初心者向け】コワーキングスペースで集中するために!情報セキュリティの基本と対策
フリーランスとして働き始め、自宅以外の場所で作業をしたいとお考えの皆様にとって、コワーキングスペースは魅力的な選択肢の一つです。集中できる環境、他のフリーランスとの交流の機会など、多くのメリットがあります。一方で、共有スペースであるがゆえに気になるのが「情報セキュリティ」ではないでしょうか。
ノートパソコンやスマートフォンを使って作業をする際、個人情報やお客様の機密情報を扱うことも少なくありません。自宅では安心して作業できても、多くの人が行き交うコワーキングスペースでは、どのようなセキュリティリスクがあり、どのように対策すれば良いのか、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、コワーキングスペースを初めて利用する方や、まだセキュリティ対策に自信がない方に向けて、情報セキュリティの基本と、今すぐ実践できる具体的な対策について分かりやすく解説いたします。安全な環境で作業に集中するために、ぜひ最後までお読みください。
コワーキングスペースにおける主な情報セキュリティリスク
コワーキングスペースは基本的に安全に配慮されていますが、完全にリスクがないわけではありません。どのようなリスクがあるのかを理解することが、対策の第一歩となります。
- 視覚からの情報漏洩(のぞき見): 後ろや横から画面を見られてしまい、作業内容やパスワードなどが知られてしまうリスクです。特に、フリーアドレス席やオープンなスペースでは注意が必要です。
- デバイスや荷物の盗難・紛失: 離席した隙にノートパソコンやスマートフォン、書類などが盗まれたり、置き忘れて紛失したりするリスクです。貴重品は常に管理する必要があります。
- 公共Wi-Fi利用時のリスク: コワーキングスペースが提供するWi-Fiは便利ですが、設定によっては通信内容を傍受されたり、不正なアクセスを受けたりする可能性があります。
- 印刷物や書類の放置: 印刷した書類やメモを席に置きっぱなしにしてしまい、情報が外部に漏れるリスクです。
- ショルダーハック: 背後から操作画面やパスワード入力を見られてしまうこと全般を指します。特に暗証番号の入力時などに注意が必要です。
これらのリスクを知っておくことで、日々の作業における意識が変わってきます。
初心者向け!今すぐできるセキュリティ対策
それでは、上記の主なリスクに対して、フリーランス初心者の皆様が今日からすぐに実践できる具体的な対策をご紹介します。
1. 物理的な対策を徹底する
まずは、身の回りの物理的なセキュリティを高めることから始めましょう。
- 画面ののぞき見防止フィルターを使用する: ノートパソコンの画面に装着することで、斜めからの視線をブロックし、正面からしか画面が見えなくなります。比較的安価で購入でき、高い効果が期待できます。
- デバイスから離れる際は必ずロックをかける: 短時間席を離れる際でも、ノートパソコンやスマートフォンの画面には必ずロックをかけましょう。パスワードや指紋認証、顔認証などを設定しておけば、万が一覗かれても情報にアクセスされるリスクを減らせます。
- 貴重品は肌身離さず持ち歩くか、鍵付きロッカーを利用する: ノートパソコンや財布などの貴重品は、休憩やお手洗いなどで短時間席を離れる際も必ず持ち歩くようにしましょう。コワーキングスペースに鍵付きのロッカーがある場合は、積極的に活用することをおすすめします。
- 盗難防止ワイヤーロックを活用する: ノートパソコンを机などの固定物に物理的に繋いでおくことで、持ち去りによる盗難のリスクを大幅に減らせます。特に高価なデバイスを使用している場合は有効です。
2. ネットワーク利用に細心の注意を払う
コワーキングスペースのWi-Fiは作業に不可欠ですが、安全性を高める工夫が必要です。
- 公共Wi-Fiの危険性を理解する: 暗号化されていない、または脆弱な公共Wi-Fiでは、悪意のある第三者に通信内容(パスワード、クレジットカード情報など)を傍受されるリスクがあります。
- 重要な情報のやり取りにはWi-Fiを使わない、またはVPNを利用する: 銀行取引や重要な顧客情報の送受信など、特に機密性の高い作業を行う際は、スマートフォンのテザリング機能を使うか、VPN(Virtual Private Network)サービスを利用して通信を暗号化することをおすすめします。VPNは有料サービスが多いですが、公共Wi-Fiの安全性を高める有効な手段です。
- 「https」で始まるURLを確認する: ウェブサイトを閲覧する際は、URLが「https」で始まっていることを確認しましょう。「s」はSecure(安全)を意味し、通信が暗号化されていることを示します。
3. データとデバイスの保護を怠らない
作業中のデータやデバイスそのものを保護するための対策も重要です。
- OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ: 利用しているパソコンやスマートフォンのOS、および使用するソフトウェアは、セキュリティ上の脆弱性が日々発見されています。常に最新のアップデートを適用し、これらの脆弱性を解消することが重要です。
- 強力なパスワードを設定し、二段階認証を活用する: 各種サービスやデバイスには、推測されにくい強力なパスワードを設定しましょう。さらに、二段階認証を設定することで、パスワードが漏れてしまった場合でも不正ログインを防ぐ確率が高まります。
- 定期的にデータのバックアップを取る: 万が一デバイスが故障したり、盗難・紛失したりした場合に備え、作業中のデータはクラウドストレージや外部ストレージに定期的にバックアップしておきましょう。
- 個人情報や機密情報は安易に印刷しない、または適切に処理する: 必要な場合以外は、個人情報や機密情報を含む書類を印刷しないように心がけましょう。印刷した場合は、席に放置せず、不要になったらシュレッダーにかけるか、安全な方法で廃棄するようにします。
4. 意識とマナーもセキュリティの一環
周りの環境や他の利用者への配慮も、自身のセキュリティを高めることに繋がります。
- 離席時は必ずログアウトまたはロックをする: 短時間でも席を離れる際は、作業中のアプリケーションからログアウトしたり、画面をロックしたりする習慣をつけましょう。
- 周囲に聞かれたくない通話はフォンブースなどを利用する: 機密性の高い内容の電話をする際は、周りに会話を聞かれないよう、個室やフォンブース(一人用の防音ブース)を利用しましょう。
- 作業画面を他の人に見られないように座席を選ぶ: 可能であれば、壁際に座るなど、後ろからの視線がない席を選ぶ工夫も有効です。
コワーキングスペース選びの際にセキュリティ面もチェック
これからコワーキングスペースの利用を検討される方は、見学時などにセキュリティに関する以下のポイントを確認してみるのも良いでしょう。
- 鍵付きのロッカーや収納スペースがあるか: 貴重品を一時的に保管できる場所があるか確認します。
- 監視カメラは設置されているか: スペース内に監視カメラが設置されているかどうかも、盗難抑止力の一つとなります。(プライバシーとの兼ね合いもありますので、設置場所なども考慮して判断してください)
- Wi-Fi環境に関する説明があるか: 提供されるWi-Fiのセキュリティ対策について、スタッフに質問してみるのも良いでしょう。VPNの推奨など、利用者に注意喚起を行っているかどうかも目安になります。
- スタッフの巡回やセキュリティ管理体制: スペース内をスタッフが定期的に巡回しているか、不審者対策など、セキュリティ管理体制について可能な範囲で確認します。
まとめ
フリーランスとして集中して作業するためには、物理的な環境だけでなく、情報セキュリティに対する意識と対策も非常に重要です。コワーキングスペースは便利な作業場所ですが、共有スペースであることによる潜在的なリスクがあることを理解し、適切な対策を講じることで、より安心して、作業に集中できるようになります。
今回ご紹介した対策は、今日からすぐに実践できるものばかりです。画面ののぞき見防止、デバイスのロック、Wi-Fiの注意、そして貴重品の管理など、基本的なことから習慣化していくことが大切です。これらの対策をしっかりと行い、コワーキングスペースを最大限に活用して、皆様のワークスタイルをより快適で安全なものにしてください。